技能五輪

技能五輪全国大会は、青年技能者の技能レベルの日本一を競う競技大会です。
参加資格が満年齢23歳以下なので、若い技能者しか出場できません。
地方予選で優秀な成績を収めた者のみが出場できます。訓練校などでは、同級生が皆ライバルとなります。

家具の他に左官や造園、精密機器組み立て、美容など40数職種あります。

また、国際大会は2年に一度開催されます。そしてその前年の全国大会優勝者が出場できます。

沢山の職種の中で有望な若者たちが、同年代の友人たちは大学に通っている中、それぞれの職種の中で職業技術を磨き、技を競いあう姿は胸を打つものがあります。
全国大会は毎年いずれかの都道府県で開催されます。お近くで開催の際は、ぜひ足をお運び下さい。

木村は平成12年 埼玉大会に出場し、優勝しました。

地方予選は二級技能士の資格試験と兼ねます。
地方予選の上位者が全国大会に進みます。

全国大会では、事前に公表されている図面をもとに、決められた時間内に小さなサイドボードの製作が課題です。


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平成13年 韓国大会に出場しました。

全国大会に出場する時は北海道選手団を結成しますが、国際大会では日の丸をつけたナショナルチームを結成し、表敬訪問を重ねます。
国際大会の時は、厚生労働省などを訪問した後、首相官邸や東宮御所を表敬訪問しました。時の総理大臣は小泉純一郎。

この年の開催地は韓国。
ヨーロッパでの開催の多い技能五輪ですが、少し残念な思いがしました。
神奈川出身としては、修行している北海道と同じくらいの距離です。

国際大会では、課題は事前に全く公表されません。
本番当日の朝に図面が配布され、30分以内に読み込んで作業に入ります。
図面についての質問もこの時間内にのみ許されます。

この時の課題は、フラップのついたデスクでした。

※全国大会、国際大会ともに競技方法は変化しています。

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競技は散々な結果で終わりました。

事前に公表されていた設置機械のいくつかが危険という事で使用禁止になるという事も。
その機械で加工しようと練習していましたから、経験も少ない当時は途方に暮れてしまいました。

ストロークサンダが逆回転だったり、日本の多くの木工現場では外している安全装置が付いていて(考えてみれば当然ですが)必要な加工が出来なかったりしました。装置を外したい事を伝えると審判団で協議が始まりますが、一度の加工の為にそんな調子です。

優勝したのは台湾の選手。
全4日間の競技時間の中、ほぼ3日で終わらせて最終日は遊んでいたのを覚えています。
彼は14歳の頃から家具製作に携わっていたそうです。すでに7、8年の実務経験を有していました。
私は訓練校を卒業してわずか半年、実力差は歴然でした。
会社で入社8年後に、新しく入った新人と統合力で勝負すれば、もう勝敗は決まっています。
他の国の選手たちも、実務経験を有している選手ばかりでした。

ちなみに多くの国では、技能五輪でメダルを取れば報奨金や兵役免除などの優遇を受けられるそうです。
また、参加費用や準備費用などのバックアップも多いと聞いています。

競技前日に各選手は自分のブースに道具などを広げて設営します。
私は昔ながらの木の箱に道具類を詰め込み、二人で何度も往復して運びますが、他の選手たちはフォークリフトで巨大な箱を一つ運搬して来ます。
その箱ががばっと開くと、中から工場にあるような据え置きの機械類が出て来て、あっという間にまるで工房になりました。なんとも自分のブースが心細く感じたのを覚えています。

沢山の言い訳があるのですが、はっきりしている事は自分の圧倒的な力不足でした。

とても苦しい思い出です。




余談ですが、大会期間中にはアメリカはテロがあり、それを受けて競技会場内にも武装した兵隊がいたり、日本から応援の飛行機が飛ばなくなったりと大変でした。

第54回技能五輪全国大会(山形)



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平成26年10月22日、23日に山形県で開催された第54回技能五輪全国大会 家具職種で安藤 哲平が見事優勝し、金賞を獲得しました。

おといねっぷ高校から手工具に慣れ親しんだ安藤は、いままでに何枚もの砥石をペラペラにするほどの努力家。
そんな安藤が、過去最高の30名の選手が出場する全国大会で優勝しました。