若き家具職人たち

 

gauzy calm works Ltd. /株式会社ガージーカームワークス   
オーダーメイド家具 デザイン 製作
インテリアデザイン・設計・監理

技能五輪 日本一が3名!技術もデザインもインテリアも。旭川家具の新世代。

確かな技術、新鮮な感性とエネルギーで高品質な家具を製作しています。

 
 
gauzy calm worksは家具産地の北海道旭川を拠点とするオーダーメイドファニチャーブランドです。
 
旭川市内にショールーム 、東京都内に事務所を開設し、自社設計のみにこだわらず広く家具製作を行っています。
 
 
自分達でデザインした製品を自分達で製造し、主に自分達で販売しています。
特注のご要望にもお応えし、お客さまのご自宅やオフィス、店舗に合わせて設計、製作してお届けしています。
インテリア全体のデザインの提案も行なっています(設計監理)。店舗内装設計も致します。
 
自分達のブランド以外の製作も大々的に行なっています。
設計事務所、デザイナー、建設会社、インテリアショップ、キッチンメーカー、同業他社などプロの方から、図面を頂いてその通りに製作します。
取引先は主に東京都内と近郊、出荷先も関東圏が多いです。
 
無垢材、突き板、メラミンやポリ板。家庭用家具、建築取り付け家具、店舗什器、箱もの、脚もの、キッチン。個人邸、店舗、ホテル、オフィスなど様々な製作を行なっています。
 
2010年に個人工房として創業し、現在(2020.12)、男性の職人7名と女性のパートタイム6名の13名、30歳代を中心に活動しています。
 
職人は全国から志高いメンバーが集まり、なんと技能五輪日本一(金賞)が3名(うち1名は史上初の全国2連覇)、銅賞1名が所属しています。
エース級の職人が何名も在籍する業界屈指の技術者集団です。
また、スウェーデン語を理解したり、法規にも精通して内装設計実務の経験を持つメンバーも所属するなど頭脳明晰なメンバーも揃い、文武両道を実践しています。
職人組織にありがちなワントップで徒弟的な体制を排除し、フラットな組織を心掛けています。チームワークを大事にしながら、メンバーそれぞれの特技や能力を出し合って柔軟で強い組織作りを目指しています。
 
伝統ある旭川家具工業協同組合に加盟し、「旭川家具」や家具木工業界の推進と発展に貢献します。技能五輪への選手派遣やセミナー参加、デザインコンペや様々な企画展への参加など、会社外での活動を支援して若手の活躍を促すなど、若手が育ちやすい環境を積極的に整えています。
 

・自社デザインによるオリジナルブランド製品について

家具はあくまで生活の道具であるという観点から、使いやすく耐久性があり、普通の佇まいでありながら奥深い些細な意匠を大事に設計しています。
北海道産のナラの無垢材、突き板をメインに使用しています。
木材らしい表情豊かな板目材を、そして白太や節の入った材も活用し、それぞれの材を馴染ませながら木材本来の美しさを引き出す塗装として、カラーオイルフィニッシュで仕上げています。
そこに、オリジナルの真鍮金物を合わせています。
他にも、様々な天然素材との組み合わせによる表現を得意としています。
 
オーダーキッチンの製作も承っています。
ボッシュ食器機の販売店契約をしています。
一般住宅だけではなく、物販店や飲食店など店舗の内装計画(設計監理)も承ります。
住宅リフォーム、キッチンリフォーム、店舗設計、店舗什器製作もいたします。
 
オリジナルブランドの製品は自分達で丁寧にデザインして展開していますが、自分達で直接お客さまと関わってお届けしたいという思いから、販売を委託する卸売を行なっておりません。
流通を通さず自分達で売るというインディペンデントブランドです。
 
製品はgcw showroomか旭川デザインセンターでのみご覧いただけます。
 
 

・インテリアデザイン、内装設計について

空間のデザイン、設計も行います。
飲食店や物販店の内装設計、住宅内装、戸建てやマンションのリノベーションなど、家具だけに止まらず空間の設計も行います。
インテリアの質に大きな影響を与える家具。その設計と製作を本業としているからこそ、より上質な空間を提案いたします。
 
 

・他社設計による図面を頂いての製作

gcwの製作は、設計事務所やハウスメーカー、キッチンブランド、他の家具メーカーからなどプロからの依頼による製作が大きな割合を占めています。
 
ハウスメーカーからは主に新築住宅の内装装備品(TVボード、玄関収納、クローゼット、などなど)、キッチンメーカーからはオーダーキッチンやバックセットなど。
設計事務所などからは、保育園や学校、施設、ホテルやコンドミニアムの客室の装備品などのご依頼を頂いています。
他に、商業ビルのテナントの店舗什器なども製作します。
 
設計事務所やキッチンメーカーからの依頼の製作は、最新の造作家具の風潮や、最新の家具金物などの情報収集になり、製作全般のトレーニングになります。
また、自分達でもデザインして設計、製作し、納品まで行なっているため、最後まで気遣いのある製作をする習慣がついています。
自社設計と他社設計の両方をバランスよく製作するため、どちらにも有効なノウハウを日々蓄積しています。
 
 

・ご相談ください

家具職人は気難しい、怖いというイメージをお持ちの方が多いようです。
しかし、ご安心ください。
gauzy calm worksは代表をはじめ物腰柔らかなメンバー揃いですので、皆さまを怯えさせるような事はありません。
工場にお越し頂ければ、皆笑顔で気持ちよく皆様をお迎えします。
 

MEMBER

・代表  木村 亮三
・工場長 傳里 聡
・黒蕨 亮太 
・安藤 哲平
・山田 真弓
・友重 圭司
・山口 智大
・原田 理生
 ほかに女性パートが4名、女性事務スタッフ、不定期メンバーが数名。
 
 

 

会社概要

社名    株式会社ガージーカームワークス
創業    2010年3月10日
設立    2015年6月3日
資本金   590万円
就業者数  14名(令和3年)  ・職人7名(代表者含む) ・パートタイム7名
所在地   本社、工場 〒078-8232 北海道旭川市豊岡2条5丁目2−28
連絡先   TEL  0166-39-3202  FAX  0166-39-3203
事業内容  オリジナル家具のデザイン、製作、販売 特注家具製造全般 インテリアデザイン設計、施工、監理


大事にしていること

 
「自分たちがものづくり、家具作りを楽しむ事」
 
私たちは、まず自分たちのものづくりを楽しむ心を大事にしています。
企業として存在しながら、参加したメンバー一人一人がスキルと個性を磨いて並び立つ理想のものづくりの現場を目指しています。
 
好きで楽しく情熱を持って製作した家具は、きっとその思いも一緒に使う人に届き、より豊かな暮らしを提供できるはずだと信じています。
 
 
私たち家具製造の現場の多くは、労働環境も賃金体制もとても厳しい職業です。
「企業」の枠の中で一人一人の存在は消えて兵隊のようになり、若者たちのものづくりの夢は色褪せていきます。
いつしか情熱は消え、生きていくため収入のためのものづくりに成り下がってしまう、そのような職場が多い事が現実です。
 
それでも、若者達はそのような傾向を承知のうえで家具作りを職業に選び、gauzy calm worksにものづくりの夢を描いて全国から集まります。
だからこそ、「まず自分達がものづくり、家具作りを楽しむこと」を大事にしています。
 
生業として本当に心から楽しむために、本気で正面から正直に真面目に、全力で取り組んでいます。
作るという行為を楽しみながら、自分達にとって最高の家具作りと最高の満足感を追求しています。
 
最高の家具とは、使いやすく耐久性があって美しいもの、生活の道具。
 
それは、結果としてお客さまを喜ばせるものとなります。
 
まず自分達が納得できるものを製作し、そしてお客さまに喜んでいただけることによって最高の満足感、幸福感を得ることができます。
そのため、「お客さまのため」をあえて第一に掲げずに「自分たちのものづくりの心のため」を第一としています。
 
使う人に後ろめたいものづくりは、自分たちを否定する事になります。
 
だから、私たちは誠実になります。
 
経済性に飲み込まれてものづくりを愛する純粋な気持ちを失わないように。
 
厳しいものづくりの現場で、ワクワクするような楽しい気持ちで、日々家具作りをします。
 

gauzy calm woksというものつくりの現場

 
gauzy calm worksは家具を作る会社です。
一般のお客さまが特注の際もイメージしやすいように、テイストを整えた製品群を作り出す必要から、現在は主に代表の木村が初期デザインを行い、その後チームで編集して製品開発をしています。
 
また、職場は職業訓練の場でもあるべきだと思っています。
 
自社製品の製作も行いますが、外部の様々な方々との仕事を通して、若いスタッフたちも外部のプロフェッショナルな方々の考え方による製作を経験できるようにしています。
 
gauzy calm worksで経験を積めば、無垢も突き板もポリメラも、家庭用も店舗什器もコントラクトもプロダクトも経験し、いつか他の企業に移るような時も独立する時も、どこでも通用して歓迎されるような職人になる事ができます。
 
そして一人一人がしっかりと実力を身につけた後は、より自由に発想して活動できるようにしたいと考えています。例えば、希望する場合は職人一人1ブランドを形成し、すべて自分の判断でデザインや設計をし、受注、製作までできる高度な実力と権限、そして責任を持てるようにしたいと考えています。
gauzy calm worksは自分で判断ができる確固とした職人たちが活動する場となり、時には皆で大きな受注の製作をこなし、時に自分のブランドを推進すべく展示会に出展したり。そのようなプレーヤーが安心して集中できるように工場の維持管理や経理、銀行との折衝による資金調達などを一括してgcwが行います。
いつか「独立」して自分の工房を持つ事も良いですが、自分でデザインしたものを世に問うという事が目的であれば、「独立」という方法は遠回りかもしれません。
独立後、一人で借金を返しながら家賃などの運営費を負担し、営業と設計、デザイン、経理、製作、雑務をこなす事は困難で、結局自分がやりたかったものづくりから遠ざかってしまう事を経験しています。
皆で協力しあいながら生産を上げ、利益を得ながらものづくりの現場を守り、それぞれの自己実現のために皆が協力するという雰囲気。
苦しい事が続く生産現場ですが、それでも「自分たちがものづくりを楽しむ心」、「身近な仲間たちとものづくりをしながら生きていく」という事を大事にしていこうと思っています。
本気でものづくりが好きで職場を探している方はぜひgauzy calm worksをご検討ください。タイミングによってはお仕事をご一緒する事ができるかもしれません。
ただし、好きなことを仕事にするという事は楽なことではありません。
プロのスポーツ選手と一緒で、プロのものづくりのチームに入るということ。 
常に自己の向上に勤め、自己の向上によってチームの底上げをする事。
チームに与えてもらう事、チームに与える事。
努力し続けることが求められます。
 
成果を上げるオンタイムに頑張ることは当たり前、オフの自分の時間にいかに努力をして成長するか、そして自分の成長によってチームを押し上げる事を意識する。
また、自分の取り組み方を後輩たちに示し、若い後輩たちにも教えていくという事。
経験の浅い若者は、若いが故の斬新な発想や生き生きとした取り組みで先輩を後押する事。
そのように果てしなく向上し続ける事を苦にもならないくらいにものつくりが好きな事が必要です。
  
また、不効率や無駄は良くはありません。
しかし、効率を過度に求めていくものづくりはしたくありません。
効率を強く求めていくほどにものづくりは面白くないものになってしまいます。
効率を突き詰めていった生産現場が、必ずしも働く人々が誇りをもって幸せに生きていける職場になるとは思っていないからです。
 
ものづくりに遊び心は絶対に必要です。
いつもと違う事、初めて挑戦する事、新しい事に取り組む事、イレギュラーな事、誰かの失敗をカバーする事。そんな事に前向きに取り組むためには遊び心が鍵になります。
 
だから、gauzy calm worksはその場の思いつきや勢いも大事にしています。
「なんだか今日は天気が良くて気持ちがいいね」となれば工場を止めて昼からバーベキューをしてみたり。
厳しい納期の仕事の積み込みが終われば、明るいうちでもビールを開けたり。
毎月第一水曜の午前中は体育の日。体育館を借りて皆でスポーツ。
終業後には事務所でプロジェクターで映画をみたりゲームをしたり。
 
しかし、「オンタイムに人と設備をフル稼働させて利益を最大化する」という事に本気で取り組まないという事は、現代の企業経営の考え方としては問題があり、やはり弊害があります。
様々な事情を皆で理解しあいながら、ゆっくりとより良い方向に進んでいく努力をしています。
 
人間らしく思いを込めて楽しく作り、思いやりを持った人間同士らしいコミュニケーションを通じてものづくりを生業として生きていきたい。
 
思いやりのある優しくて強い理想のものづくりの現場の実現を目指しています。
 
 


メンバー紹介 




 
 

 

 

 
 
 

 


 

「gauzy calm works」の意味

雪は音を吸収する。
だから激しく雪の降る冬の嵐の日も、独特の静けさとなる。
全ては白く、ベールを覆ったようで、静寂。
大好きな北海道の大地、厳しい自然、だけど美しい。
そんな中で、ものづくりをしたい。
美しくも厳しい中で、コツコツと、心穏やかに。
  
「gauzy」は「ガーゼのような、紗のような」。
「calm」は「静けさ、落ち着き」。
 
「紗のような静けさ」のなかでのものづくり。
 
gauzy calm works はそのような意味。

創業 代表者

 

木村 亮三

 
1980 生まれ 神奈川県茅ヶ崎市出身
1999 高校卒業後 木工修行のため 家具産地旭川へ
          旭川高等技術専門学院 造形デザイン科 入学
2000 在学中に 技能五輪全国大会 優勝
2001 旭川市新人奨励賞 受賞
2001 株式会社 インテリアナス 入社
2001 技能五輪国際大会(開催地韓国) 出場
2009 株式会社インテリアナス 退職
           在職中は職人として特注家具の製作を。製品開発の試作担当もし、外部デザイナーとの協働を経験。旭川国際家具デザインコンペの試作製作を会社業務とは別に請負うなど、休日を問わず深夜を超えて取り組みをする
2009  ポリテク北海道 住宅リフォーム技術科(札幌)入校   
           旭川から札幌まで通う
2010 ポリテク北海道 住宅リフォーム技術科  退校
2010 3 オーダーメイド家具工場 GAUZY CALM WORKS 創業
2011 工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選
2015 株式会社ガージーカームワークス 設立 代表取締役に就任
 
 
茅ヶ崎の森のそばで育った。
 
木が好きで、自然が好きで、ものをつくることが好きだった。
 
選んだ職業が自身のアイデンティティーに繋がると思いながら、学歴偏重の環境下で「立派な職業」につかなくてはいけないという雰囲気を感じて育った。「将来何になろう」といつも悩み続けていた。
学校の朝は苦手、でも図工の日の朝だけはワクワクして目覚めて学校に行ける。
そんなふうに毎朝ワクワクして出掛けられる職業に就きたかった。
 
契機は13歳の時。父親の自殺。
家族は衝撃を受け、それまでの価値観は崩壊。
なぜ彼が死を選んだのかはよく知らないし知りたくないけど、社会的地位の高い職業に就いていて収入もあったはずだが、幸福感を持って仕事をしているように感じていなかった。
 
「良い大学、立派な職業」が幸せにつながるわけではない事がわかってしまった。
また、周囲がそこを目指さなくても良いような雰囲気に変わった。
 
「これはもしかして、本当に自分がしたいことをしても良いのかな?」
という思いが芽生えた。
 
もともとは、科学雑誌を読み、ブルーバックスを立ち読みするようなサイエンス少年。中学は科学部。宇宙少年団に所属して航空宇宙関係や機械、医学関係に強い関心を持っていた。
しかし、そっちはではないな、職業にしなくても良いなと思うように。
 
自然に挑戦するような仕事ではなく、もしろ自然の恩恵に与るような、人間に近い仕事がしたいと進路を求めた。
 
木が好き、そして手を使って身近なものを作る仕事。
 
14歳の時には「ものづくりの仕事、素材は木材」、と何を作るかは決めきれていなかったが、職人になる決意をしていた。
 
高校卒業後、木工の修行のため北海道、旭川へ。
 
旭川高等技術専門学院 造形デザイン科へ入校。
情熱のある指導員の先生、高い目標を持った熱心な先輩と同輩に出会えた事は幸運。
 
木材加工という技術面の面白さだけではなく、それまで自分とは無関係で能力を持った特別な者だけが扱うと思っていた「デザイン」というものに触れ、目が開いた思いがした。
そして、「デザイン」と「木材加工」で表現できるものの最高の舞台は「家具」だと確信を持つように。
 製作とデザインの両方を自分もやって良いのだと思えるようになった。そして、これは生涯を掛けて探究するに値する深みがあると思った。
 
その時、それまで将来が見えずに暗闇だった自分の行く末に、スッと光が差して進むべき道が光り輝くのを見た。
二十歳を前に、天職を得た。
 
まだ学生時代の2000年、この業界で闘い抜きん出るには、少なくともなんらかのタイトルを取りたいとの覚悟で技能五輪全国大会に挑戦し、優勝。
しかしその翌年に出場した国際大会で惨敗。人生最大の努力は最下位に近い順位となり、挫折を経験。
 
2001年に入社したインテリアナス。数ものから一品ものの特注品、無垢材から合板まで多くの種類の家具製作を手掛ける。
製品開発、プロトタイプ製作も担当し、外部デザイナーとの協働も経験。
貴重な実務経験を積むとともに、想像を絶する圧倒的な理不尽も経験。
心身に多大なダメージを受けながら、会社を受け継ぐつもりで「会社」というものの理想像を自分なりに徹底的に考え抜いた経験は、今となっては貴重だったと思える。
 
2009年、いよいよ職業人生を捧げようとまで思っていたインテリアナスを追われ、失意のもとに退職。再びの挫折。
 
一時避難と転進を期して、札幌にあるポリテク北海道 住宅リフォーム技術科へ入校。旭川から札幌まで毎日通う事に。
 
家具業界に失望し、建築内装業や指導員、公務員まで、異職種も視野に転職を検討。
一切の自信を失い、体の芯が冷めて活力が湧いてこないという状態。何にも情熱を持てない。心細さ、不安。無力感。入院。
 ドプンと憂鬱の底に沈んでしまったような感覚。
辛く、苦しい日々。
 
妻の父に相談も。
毎日朝早くから深夜まで、休日も仕事をしても家計を維持できないような収入の職業。
子供の出産に伴って妻が退職し、その瞬間に家計は崩壊し、在職中から妻の実家に身を寄せていた。
「まともな職業」に転職しようと思うと伝える。
転進をむしろ応援してくれると思ったから。すると、
 
「ものづくりをしていた人間が、面白くないぞ」
 
短い返答だったが。意外にも、転職の方向を良しと思っていないのだと感じた。
 
この時、ブワッと追い風が吹いて、胸の中で、小さな火が点いたような気がした。
 
転職のために手に取った雑誌、何気なく寄ったショップ、レストラン。
どこに行っても何をしても、気づけば気になっている家具や什器、装備品。
 
この道を行く事を期待してくれている人達の気配。
 
情熱が、再び燃え上がってきた。
 
29歳、0歳の双子の父、無職、預金無し、妻の実家暮らし。
高卒で訓練校、工場一筋の生粋の家具職人。経営はおろか営業、経理、見積もり、デザイン、資材の調達など何の経験も無し。
 
でも、もう障害だと思わない。
どうせ他にロクな家具の会社はこの世に存在しないさ。
 
やろう、家具作り。
 
どうする?、、、独立。いや、独立しかない。
 
気持ちを就職活動から独立に切り替える。
 
ここから一気に人生が加速。
心は熱く潤い、体の底から力が湧き上がる感覚。無敵の自分を取り戻す。
 
どんどん方針を策定していく。
 
取引先が理不尽ばっかりで、やってられないぜ。
まずは下請けはやらない。
自分のスタイルを確立して自分の好きなものづくりができるようにしよう。
でも、工場に籠もりっきりでは未来は開けない。
問屋や小売店に売ってもらうのも遠慮して、卸売はせずに自分で売ろう。
均一な製品を作り続ける既製品よりも、建築や要望に応える、いつも違うものを作る特注を中心にしよう。
少なくとも3年間は売り上げがないだろう。儲かるどうこうの話ではなく、「生きて」いけるかどうかの3年。それでも、辛抱して継続して、資金も含めて全てを家具による表現に投入し続けよう。また、どうせ儲からないのだ、この期間は経営や経理、営業、デザインなどを実務の中で「学習」する期間と捉えよう。
3年経てば多少はマシになるだろうが、それでも5年間は厳しい状況が続くはず。
しかし、6年目からはテイクオフする。6年目のより大きな飛躍に備えて活動をしよう。
自分は心身とも強靭ではない。ケガをするかもしれない。ものづくりは、みんなでワイワイしながらするのが楽しい。地域に根ざして、自分の生涯を越えても持続的にものづくりができる場にしたい。皆がこんな目にあってリスキーな独立をすることはない。
一人の個人工房ではなくて、人数を増やしてチームにしよう、企業にしよう。
 
だからまず、ランニングコストを最小化して細くとも継続して生き延びる方法を考えよう。
何も所有する必要はない。借り入れも最小限に。そうして初期投資を極力抑えよう。
だけど借金を恐れてはいけない。6年目以降は飛躍すると仮定しているから、大きな借り入れを伴う勝負はもう少し先に取っておこう。
 
この方針に基づいて、独立の方法を検討。
 
情報収集のために訪ねた、僕よりも後に訓練校を卒業し、すでに独立していたBacana の原 弘治。
「家具作りをするためには機械が10台以上も必要だけど、一人じゃ動いてる機械も1台。重いものも持てない。工場をシェアして家賃や維持費を折半しよう。」
 
この有り難い提案をもらい、「工場シェア」という形で独立を決定。
当時29歳、なかなか気軽に相談できる経営者なんていない時。
工場内で対等なシェアを実現してくれ、経営実務をすぐ隣で教授してくれた原 氏。
 
そうして2010年3月10日、自営業としてgauzy calm worksをスタート。
 
その翌日から早速、24時を超えるハードワークも始まるのだが、工場でものを作れると言うことが本当に嬉しい事だと実感。寒くて寒くて、慣れない設備で全然思うように進まないのに、ニヤニヤしてしまう。
 
「順風満帆に、満を持しての独立」なんてものではない。
何も失くして、ものづくりからも離れてしまう瀬戸際。ギリギリで踏みとどまって戻ってきたこの世界。
挫折と苦労と貧困を乗り越えてきた。ケガもして、指の一部を失っている。
 
だけど、こういった経歴がその後の会社作りに役立っている。
ものを作る会社は、ものをつくる人とものをつくる現場を本当に大事にしないと、良い会社にならないし、結局良いものも作れないんだ。
僕なら、ものづくりが好きな人の気持ちがよくわかる。
 
だから、人に喜んでもらうために、まず自分たちを大事にし、楽しみながら、心を込めて製作する。
 
正直に、自分のために生きていきたい。
自分がシアワセじゃないと、大事な家族とシアワセを共有できない。
自分がシアワセを感じるために、使う人が本当に喜ぶ家具を作りたい。
人を欺くことは、自分を欺くこと。だから僕は真っ直ぐにものづくりをする。
自分のシアワセは、他人のシアワセの向こう側にある。
だから、僕は誠実に、使う人への思いやりを持って、全力でものづくりをする。
 
自分が家具をつくる第一の理由は「お客さまのため」ではない。
ものづくり、家具作りが好きな「自分のため」。家具作りが好きなメンバーが集まって会社になっているのだから、「自分たちのため」。
だけど僕たちはアーティストではなくて、生活の道具である家具を作りたい。
長く使えて、使いやすい美しい家具を探求し、それを実現するために技術を磨く。それはお客さまが喜んでくれることの探求でもある。
つまり、とにかく良い家具を作りたいんだという思いを実現していけば、一緒にお客さまにも喜んでいただけるという事。
良いものをつくりたいという自分たちの思いを中心に据えているので、僕たちのものづくりは正直になる。
 
家具製造業の実態は厳しい。
その中で仕事を継続していると、心は荒んでものつくりの楽しさは薄れ、できるだけ手を抜いて適当に作って早く帰ろう、という習慣になってしまう。そして最悪な事に、ものつくりに憧れる若い人たちの夢を否定するようになる。
 
なのようになってはいけない。
自分たちの純粋なものづくりを楽しむ心、一緒に仕事をするすぐそばの仲間を大事にする心、そしてワクワクするような挑戦。それをずっと継続していくこと、もっと若いものつくり人のために環境を残すこと。
好きな事を職業にする事。それは楽な事ではなくて、困難なこと。地道な努力を永遠に継続すること。そしてそんな事も楽しんでしまう事。
 
理想のものつくり、理想のものつくりの工場、真面目で熱心で優秀な仲間たちとの楽しい日々。
そんな事を求めながら、家具を作って日々を生きていきたい。


ロゴについて

旭川で家具を作り続けるという事にこだわりを持っています。
GAUZY CALM WORKS の頭文字「GCW」で、漢字の「旭川」を象っています。